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呪術廻戦部屋

呪術廻戦「闇に沈む心」

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* 18歳未満の方は読まないで下さい。BLの苦手な方は読まないで下さい。



祓って食べて取り込んで。祓って食べて取り込んで…その繰り返し。
呪霊を祓う度に味わう吐瀉物の味。
この世の誰もが想像できない苦痛の味わい。
毎日汚い雑巾を食べて生きている人に私は会いたい。
もしそんな人がいたら、私の苦痛に共感することができるかもしれない。
呪術師は非呪術師を守る為にある。
残暑が続く秋の始まりの頃、本当の秋は永遠に来ないかもしれないと思うほど
暑さは厳しかった。
「傑。大丈夫?最近、痩せたんじゃない?顔色悪いよ。」
呪霊を祓った帰り道、五条が夏油の顔を覗き込んで言った。
「大丈夫だ。」
「本当に?ちゃんと食べてる?」
呪霊を食べ過ぎて、吐瀉物の味が口に残っているせいで、食欲はなかった。
「せめて水分だけでも摂りなよ。」
五条はそう言って、飲みかけの水のペットボトルを夏油に渡した。
水はぬるかった。冷たい水が飲みたいと夏油は思った。
「帰ったら部屋で休んでもいいかな?」
「いいよ。疲れただろ?後で俺も行くよ。」
今日の五条は優しかった。

高専に戻ると、夏油は死んだように眠くなった。
少し眠ったが、ノックの音で目が覚めた。
「アイスクリーム持って来たよ。」
五条が両手にスーパーカップのアイスクリームを持って、夏油の部屋に入って来た。
「チョコレートとバニラどっち食う?」
「チョコレート」
五条が夏油にチョコレートのアイスクリームを渡した。
半分ほど食べたところで五条はバニラの味に飽きたのか、こう言った。
「俺もチョコ食べたい。食べさせて。アーン。」
夏油はアイスクリームのスプーンを五条の口に運んだ。
「私にもバニラをくれよ。」
と言うと、五条はバニラをスプーンですくって自分の口に入れた。
そして、夏油に口づけし、口の中のアイスクリームを舌で夏油の口に運んだ。
甘いと夏油は思った。いつもより甘い舌の味だった。アイスクリームの味の舌は
美味しいと思った。夏油は舌を絡めて吸って、五条の舌を味わった。
アイスクリームが溶けてなくなると、もっと欲しいと思った。
今度は自らチョコレートのアイスクリームを口に含み、五条に口づけし、
流し込んだ。そして、五条の口の中のアイスクリームを味わった。
夏油はこの禁断の味に酔いしれたように何度もアイスクリームを食べた。


突然、携帯電話が鳴った。
夏油がキスを中断して電話に出ようとすると、
「傑、電話切っとけよ。どうせ仕事の電話だろ?俺は電源切ってるんだ。
それより楽しもうよ。」
と五条は言った。だが、夏油は電話に出た。
「もしもし」
「おい!何やってる?何で五条は電話に出ないんだ?今すぐ来いって伝えろ。
どうせ一緒にいるんだろ?手に負えない呪霊が出て、灰原が死んだ。
五条が来ないと他のやつも全員死ぬぞ。五条に今すぐ代われ。」
「悟。灰原が…」
夏油は目の前が真っ暗になって、全てが崩れていくような気がした。
五条は携帯電話を奪い取るように受け取ると、何か話して、慌てて部屋を出て行った。
部屋に取り残された夏油は、可愛がっていた後輩の死にショックを受けて
動けなかった。夏の終わりにセミが木から落ちて死ぬように夏油の心は悲しみと
罪悪感の重圧で暗闇に落ちて行く感覚に襲われた。
夏油はその時、全てが終わった気がした。

数時間後、夏油が灰原の遺体と対面した時、七海は泣いていた。
「五条さんがもっと早く来てくれたら、灰原は死なずに済んだかもしれないのに…
携帯の電源が切られてたんです。」
五条は楽しんでる最中に呼び出されるのを嫌い、あらかじめ携帯の電源を切ってから
夏油と会う事が度々あった。夏油は顔を上げる事ができなかった。
「何をしていたんですか?」
七海に聞かれて、夏油は数秒考えた後、
「アイスクリームを食べていた。」
と答えた。
「アイスクリーム?」
七海は怪訝そうな顔で聞き返した後、ハッとしたように眉をひそめ、黙って
夏油をじっと見た。それは、何のプレイをしていたんだと言いたいような
軽蔑を通り越した侮蔑の目だった。
「ち、違う。そうじゃない。別に変なプレイはしていない。」
夏油は言いかけて、墓穴を掘っている事に気付いた。
普通の人はアイスクリームを身体に塗って舐めるようなプレイはしないし、
夏油もしていない。ただ、普通の人は親友とアイスクリームを口移しで食べたり、
アイスクリームの味のするキスを貪ったりもしない。
普通との境界線が崩壊している夏油はもう言い訳できないと思って、口を噤んだ。
「最低だな。」
七海は吐き捨てるように言うと、出て行った。
誤解されたと夏油は思った。
周囲からの冷たい視線が突き刺さる。
夏油はそれ以来、立たなくなった。


夏の盛りに勢い良く鳴いていたセミは元気がなくなって、虚しく死んで行く。
秋にセミは生き残れない。夏油も死に行くセミのように元気がなかった。
「傑。口でしてあげようか?」
全裸の五条が言った。
「いいよ。悟はそういうことしなくていい。」
と夏油は言った。
「でもさ。できなかったらするしかないじゃん。」
小学生のように口を尖らせる五条に夏油はなんだか申し訳ない気分になった。
「それか今日は何か特別なことをしてあげようか?何かして欲しいことない?」
澄んだ空のような青い瞳をキラキラさせて、五条が悪魔の提案をした。
夏油は悪魔の誘惑に負けて、思わぬ言葉が出てしまった。
「踏んで欲しい。踏んでくれ。」
「え?こう?」
五条が夏油の頭を踏んづけた。
「痛い。」
五条はケラケラ笑っていた。だが、床に顔を打ちつけられても夏油は怯まなかった。
「頭じゃなくて、股間を優しく踏んでくれ。」
五条は笑うのをやめた。そして、足の先で股間を軽くつつくと、
リクエスト通りに優しく踏んだ。
「へー。こういうのがいいんだ。傑ってM?」
軽蔑するような冷ややかな目で見下されると、七海のあの汚い物でも見るような
目を思い出して、夏油は興奮した。夏油はおずおずと起き上がり、
五条をベッドに座らせ、薄ピンク色のものを口に含んだ。
「あっ。」
五条が声を洩らした。五条は感じた事を誤魔化すように、夏油のものを足で触った。
夏油は五条のものを犬のように這いつくばって舐めながら、
足の指で揉まれる感触に興奮した。
「もうできるんじゃない?」
と、五条は言った。
「・・・」
「早く来いよ。」
五条に誘われるまま夏油はベッドに上って、熱くなったものを五条に挿入した。
「あっ。いい。ああ。」
五条は声をあげて悦んだ。久しぶりに入った五条の中は熱かった。
狭い肉を掻き分けて入って行く感触は、この上なく気持ち良かった。
「悟。好きだ。」
夏油は思わず言った。
「俺も」
五条は夏油を引き寄せて、口づけした。


舌と舌が絡み合う甘い時が流れ、幸せのはずなのに、夏油は何故か
アイスクリームを食べた時の事を思い出して、七海の顔が浮かんだ。
萎えた。夏油は五条の足の指を舐めてみた。
「やめろ。くすぐったい。」
と五条は言ったが、足の指を1本1本咥えて、しゃぶりついた。
夏油は女王様の奴隷のように、自らを貶めて、腰を振った。
すると、ふと、夏油は初めての日のことを思い出した。
『傑に俺の全部をあげる』
関係を求めて来たのは五条のほうからだった。
美しい少年の誘惑に抗えないまま淫蕩の世界に堕ちた自分は他人にはどう映るのか?
考えれば考えるほど考えたくはない。自分は快楽に負けた負け犬なのだから。
今はただ快楽に酔いしれるほかはない。
「悟。あ、イク。」
ひたすらに腰を振り続けて夏油は絶頂に達した。五条の身体の中に出すと、
五条がしがみついてきた。しばし抱きしめて、五条がぐったりしてから身体を離した。
夏油はティッシュで腹についた体液を拭い、五条の身体も拭いた。
夏油は満足そうに横になって、五条を見ると、五条は不満そうな顔をしていた。
「なんか今日の傑…気色悪かった。」
「え?」
「ずっと足を舐めてたろ?そのせいで全然よくなかった。」
「でも、悟もイッたじゃないか。」
「傑が先にイクから、仕方なくな。」
仕方なくという言葉に夏油はムッとした。
だが、五条は追い打ちをかけるように言葉を続けた。
「口でしてやるって言ったのに、踏んでくれって気色悪いんだよ!」
「それは・・・悟が下手くそだからだろ。」
「下手くそって・・・足は上手いのかよ!この変態野郎!みんな陰でなんて言ってるか
知ってんのか?傑はアイスクリームプレイって言われてるんだぞ!」
ショックだった。陰口を言われてる自覚はあったが、アイスクリームプレイなんて
あだ名をつけられてるとは知らなかった。
「悟がしょっちゅうHしようってやってくるから。携帯の電源切ってたのは悟で
私じゃないのに、まるでみんな私が悪いみたいになってるのは納得できない。
灰原が死んだのは私のせいじゃない!灰原が死んだのは悟のせいだ!」
夏油は怒りに任せて言ってしまった。すると、五条はこう言った。
「・・・それを言うのか・・・俺たちもうおしまいだ。別れよう。」
言ってはいけないことを言った当然の報いだった。
しかし、一度発した言葉はもう戻らない。
夏油は闇の中に突き落とされた気分になった。
五条がまだ何か罵っていたが、崩れ落ちそうになるのを必死に耐えた。
夏油にはもう何も声が聞こえて来なかった。


辺境の村に泊まりがけの仕事の依頼が来て、五条としばらく顔を合わさなくて済む
と思うと夏油は内心ホッとした。呪術師は非呪術師を守る為にある。
世の人の為に呪霊を祓うのが仕事だ。仕事に没頭して、辛い事は忘れよう。
親友に罵られても親友に絶交されても私には人々を救う仕事がある。
毎日吐きそうな不味い呪霊を喰らって、精神を削って、心が病みそうでも
人々を守る使命がある。それは正義で、善行を施しているのだから、
やりがいのある仕事だと夏油は自分に言い聞かせた。
村に到着すると、村長に地下牢に案内された。そこには全裸で猿轡をかまされて、
鉄製の手枷足枷をつけられた2人の少女が牢の中にいた。
「この2人が村人を呪い殺した犯人です。こいつらの母親が呪詛師で、
村人を殺したから、こいつらも変な呪いの言葉を吐いて、村人を殺すんで、
折檻してるんですよ。なあに、何も喋れないようにして、鎖でぐるぐる巻きにして、
抵抗できないようにしたら、大人しくなりましたよ。
昨日も2人並べて10人で犯したら、途中何度も気を失いかけたけど、
大丈夫でしたよ。そのうち舌と手足を切り落とす予定です。それで解決ですよ。
わざわざ来ていただいたのに、すみませんね。村の事は村で解決しますんで、
もう帰っていただいていいですよ。」
と村長は言った。夏油は耳を疑った。だが、目の前には少女2人がいる。
血が止まらないのか少女たちの下腹部からは血が流れていた。
村長はニヤリと笑って、更にこう言った。
「やり殺そうと思ったのに、下半身から血を流しただけで、しぶとく生きてるんです。
それで、皆んなで話し合って、村の慰み者にしようって事になりましてね。
なにしろ相手は呪術を使う化け物ですから人間扱いする必要ないんですよ。
おっと、あなた方もそうでしたな。とにかく死人が出た時に
慌てて依頼しただけですから、お帰りください。」
夏油の中で何かが音を立てて崩れた。
「この汚い猿どもめ!」
夏油は呪霊を出して村長を瞬殺した。そして、村人を全部呪霊に食べさせた。
夏油は村を焼き尽くし、泣きながら考えた。
今まで守ろうとしてきた世界は何だったのか?
今までずっと親に学校に社会に非呪術師を守るよう洗脳されて来た。
虚構の世界にいたような気分だった。
非呪術師を根絶やしにして呪術師だけの世界を作る。
燃え盛る炎の中で夏油は決意した。
それは洗脳から解き放たれた瞬間だった。

                                (完)



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