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黒執事部屋

黒執事「鳥籠アナザーストーリー」

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* 18歳未満の方は読まないで下さい。BLの苦手な方は読まないで下さい。



「リチャード!!」
炎は瞬く間に燃え広がり、屋敷を焼き尽くした。
「セバスチャン。命令だ。リチャードを助けろ。」
シエルは叫んだ。
「イエス・マイロード。」
セバスチャンは燃え盛る炎の中からリチャードを救い出した。
シエルは自ら死を選んだリチャードを哀れに思って、ファントムハイヴの屋敷に
住まわせることにした。その夜、リチャードはベッドの中で目を覚ました。
「お目覚めですか?リチャード様。」
セバスチャンが微笑む。
「ここは・・・」
心配そうにリチャードは聞いた。
「ファントムハイヴ邸です。坊ちゃんのご意向により今日からあなた様の
お世話をする事になりました。警察には知らせない事に致しましたので、
ご心配には及びません。どうぞごゆっくりなさってくださいませ。」
「そうだ。心配無用。女王の命を遂行するのが僕の仕事だ。警察とは
何の関係もない。女王の命とは行方不明のリチャード・ガートランドを救出し、
家督を奪おうとしたワーウィック・ガートランドの悪事を暴く事。全ては君を
鳥籠に閉じ込めたワーウィックの陰謀として女王には報告しておくから、安心しろ。」
「でも、僕は・・・」
シエルの言葉にもリチャードはまだうかない顔をしていた。
「チョコレートですか?」
セバスチャンがリチャードに呆れたといった顔で聞いた。
リチャードはこくりと黙って頷いた。
「チョコレートの成分を調べてみましたところ、阿片は入っていませんでした。
よく考えてみたら、たばことして吸う阿片をチョコレートに混ぜたら
食べられるものではありません。チョコレートの中に入っていたものは
医師により処方される精神安定剤と媚薬でした。パブロフの犬をご存知ですか?
毎日決まった時間にベルを鳴らしてから餌を与えるとベルを鳴らしただけで
涎をたらすという話です。リチャード様はパブロフの犬だったのです。
チョコレートを食べた後セックスをしていたから、時間になると薬が欲しくて
たまらなくなるという状態に陥っていたのです。リチャード様はお母様を殺した
罪悪感から逃れる為に何もかも忘れられるほどの気持ちの良いセックスに
溺れていただけなのです。」
「知らなかった。叔父様はドラッグが入っていると言っていたから・・・」
「ドラッグ=麻薬ではなくて、ただの薬だったのですよ。」
セバスチャンは微笑んだ。
「チョコレートをお持ちしました。ただし、媚薬は入っていませんが、
これを食べてぐっすりとお休みなさいませ。」
セバスチャンは銀のトレイからチョコレートをつまんで、リチャードに
一つ食べさせた。唇にチョコレートが触れた時、リチャードの恍惚と開いた口が
美味しそうにチョコレートを飲み込んだのをシエルは見逃さなかった。
安心したように眠ったリチャードを見て、セバスチャンはシエルにこう言った。
「リチャード様をお預かりするのはガートランドのお屋敷を建て直すまでですよ。」
「分かっている。事件の報告をして、爵位をリチャードに継がせる手はずが済んだら、
ガートランドへ帰ってもらう。」
「では、そのように。」
セバスチャンはシエルにお辞儀をした。



翌朝、メイリンの悲鳴が聞こえてシエルは目を覚ました。
「何事だ。」
シエルが質問するとメイリンは
「おらのメイド服が盗まれましただ。」
と答えた。シエルは嫌な予感がして、セバスチャンに
「リチャードはどこにいる?」
と聞くと、
「リチャード様でしたら、まだお休みになられているはずですが・・・
おや、庭に誰かいますね。」
と、セバスチャンは目を細めて言った。庭にはメイド服を着たリチャードがいた。
リチャードはまるで長年この屋敷に住んでいるメイドのように竹箒で
庭を掃いていた。セバスチャンはリチャードの傍に駆け寄って
「リチャード様、なんという格好をなさっているのですか。」
と聞くと、リチャードは悪びれもせずにこう言った。
「僕はこの格好が一番落ち着くんだ。それに今日からファントムハイヴ家に
やっかいになるのだから掃除くらいはさせてもらうよ。」
「だからと言って、メイドの真似など・・・」
セバスチャンが呆れて、ため息をついていると、
「おい。おい。新入りかい?」
何も知らないバルドがやって来た。
「ねえ君、女の子みたいに見えるけど本当に男の子なの?」
フィニも興味津々で寄って来た。
「その服おらよりも似合ってるだで、リチャード様にあげるだよ。」
メイリンが言った。3人に取り囲まれてリチャードは少し嬉しそうだった。
「まあ、働きたいと言うのなら、仕方ないですね。そのほうが
気も紛れるでしょうし・・・いかがなさいますか?坊ちゃん。」
「好きにさせてやれ。」
シエルはフッと笑って屋敷の中に入って行った。



リチャードがファントムハイヴの屋敷に来て幾日か過ぎた頃
「リチャード様、一緒にチョコレートを作りませんか?」
セバスチャンがリチャードを誘った。
「わーい。チョコレート大好き。」
リチャードは今日もご機嫌だった。リチャードは屋敷に来た翌日からすぐ
使用人たちと打ち解けて仲良くなった。特にセバスチャンとは仲が良過ぎるくらいだ。
リチャードは朝から晩までセバスチャンにはりついている。また、
セバスチャンのほうもまんざらでもないような顔をして、あれこれと手伝わせている。
他の使用人には絶対に手伝わせないお菓子作りも最近では二人で仲良く
作るようになった。シエルはセバスチャンの作るお菓子が大好きだったが、
リチャードと一緒に作ったものはあまり食べる気がしなかった。
もちろん不味いというわけではない。不味ければ即、厨房に入る事を禁じるのだが、
あいにくとリチャードの作るお菓子は美味しかった。
お菓子だけではない。料理もとても13歳とは思えないほど上手だった。
趣味はお菓子作りと料理と言っていただけはある。リチャードはセバスチャンの
教え方が上手だからすぐにレシピを覚えられたと言うが、厨房という密室で
二人でいつも何をしているのかと思うとシエルは気が気ではなかった。せめて
バルドでもいてくれたら良いのだが、バルドは何故か二人が厨房に入ると必ず、
庭でフィニと話していたり、屋敷の中をフラフラと歩いているのだった。
セバスチャンがさりげなくリチャードの腰に手をまわした。
ただエスコートするために軽く腰に手を当てただけだったが、シエルは凝視した。
厨房に入るのに何故エスコートする必要があるんだ。もっと離れて歩け。
シエルは心の中で悪態をついた。だが、やきもちを焼いていると思われるのが嫌で
口に出して言わなかった。シエルはリチャードの無邪気に笑う姿を黙って見ていた。



太陽が沈み空を赤く染める頃、シエルは信じられない光景を見た。
庭の噴水にリチャードとセバスチャンが戯れている姿が映っていた。
水面に映る影は楽しそうに寄り添い、昼間作ったチョコレートを二人きりで
いちゃいちゃと食べていたのだった。あ~んと大きな口を開けてリチャードが
チョコレートをせがむ度にセバスチャンはまるで雛鳥に餌を与えるかのように
チョコレートを一粒ずつ指で摘まんで食べさせていた。
満足げにチョコレートを食べた後、リチャードはセバスチャンに抱きついた。
「好きだ。セバスチャン。」
潤んだ瞳でリチャードが告白した。
「出会った日からずっとセバスチャンのことが好きだった。」
「斧で首を切り落とした日からですか?」
「意地悪。僕を炎の中から救ってくれた日からだよ。」
「あれは坊ちゃんの命令でしたので・・・」
「そんなの、関係ないよ。」
「私はあくまで坊ちゃんの執事ですから。」
「僕と契約して。」
「正気ですか?」
「お願い。」
「困りましたね。」
セバスチャンはリチャードを自分から引き剥がした。その拍子にチョコレートの
入っていた籠が地面に落ちて、様々な形のチョコレートが地面に転がり出た。
セバスチャンはクスっと笑って、その中からきのこの形をしたチョコレートを
手に取ると、こう言った。
「あなたが私に魅かれているのは知っていました。こんなふしだらな形の
チョコレートまで作って、厨房でペロペロと舐めて見せたりして、いけない子だ。
リチャード様はセックスをしたいという欲望と恋とをはき違えているのです。
そんな悪い子にはお仕置きが必要ですね。お尻を出しなさい。」
リチャードはセバスチャンの変貌ぶりに少し驚いたようだったが、おずおずと
メイド服のスカートをまくってお尻を差し出した。ズロースを下げると、
リチャードの桃のような可愛らしいお尻が現れた。セバスチャンはそのお尻に
きのこの形のチョコレートを一つ押し込んだ。
「あん。」
リチャードは噴水の脇に手をつき、よがり声をあげて喜んだ。
「セバスチャン!何をしている!」
物陰から見ていたシエルが怒って飛び出した。しかし、セバスチャンは
「やっと出てきましたね。坊ちゃんがいつ出てくるかと待っていたのですよ。」
と言った。セバスチャンはシエルが見ている事を知っていたのだ。
シエルはカァッとなって逃げ出した。だが、セバスチャンは追いかけて来なかった。
シエルは独りで部屋に閉じこもり涙を流した。傲慢で何もかも見透かしたような
セバスチャンが許せなかった。泣き続けているうちにシエルは泣きながら
寝てしまった。



「坊ちゃん。坊ちゃん。」
甘く囁く声がしてシエルは目を覚ました。真っ暗な中で1本だけ灯した蝋燭を
片手にセバスチャンがベッドの横に立っていた。
「可哀相に泣き疲れて寝てしまったのですね。」
「誰のせいだと思っている?」
シエルがセバスチャンを睨んだ。
「リチャード様のせいですか?」
セバスチャンはわざと蝋燭をサイドテーブルに置きながら、そう言った。
「おまえのせいだ。」
シエルがセバスチャンを叩こうとしたが、セバスチャンはその手を掴み、
シエルをベッドに押し倒して口づけをした。舌と舌が絡みつく。
両手を頭の上で重ね合わせた手首を片手で押さえつけられて、
シエルは口の中を犯された。蠢く舌にシエルは身体の力が抜けていった。
セバスチャンは口づけを交わしながら、シエルの服を脱がしていった。
耳たぶを軽く噛まれてシエルは呻いた。形の良い耳をなぞるように
舌を這わせて耳の穴に舌を差し入れた。
「あ、ああ。」
「坊ちゃんは耳が好きですね。」
シエルは急に考えたようにセバスチャンを見た。
「リチャードは?リチャードにも僕と同じ事をしたのか?」
「気になるのですか?答えはノーです。」
「どうだかな。」
シエルはふてくされたように空中を見つめた。時が一瞬、二人の間で張りつめたように
沈黙が漂った。すると、セバスチャンはシエルの瞳を手で覆い、こう言った。
「坊ちゃん、目を閉じて、私を身体で感じて。」
悪魔の囁きは呪文のようにシエルの脳を犯した。シエルは目を閉じて、
セバスチャンの愛撫を全身で感じた。身体を這い回る舌はシエルを快楽の渦に陥れ、
欲望がシエルを襲う。セバスチャンを体内に受け入れてもシエルはまだ
目を開けなかった。悪魔に身を捧げる儀式のようにセバスチャンに抱かれて
歓喜の声をあげていた。やがて絶頂に達してもシエルはまだ目を開けなかった。
セバスチャンが自分の中にいる喜びを感じていた。セバスチャンは
体内に留まったまま、シエルの眼帯の紐をほどいた。
「坊ちゃん、この身体は坊ちゃんだけのもの。坊ちゃんに尽くす為に存在するのです。
さあ、目を開けて、私を見て。」
セバスチャンの赤い瞳が暗闇で光っていた。シエルは美しいと思った。
妖しく美しい悪魔の瞳に見つめられて、シエルは至福の時を感じた。
悪魔との契りは淫靡で甘い麻薬のようだった。見つめ合ったまま互いに
快楽の絶頂を迎えた。果てた後、セバスチャンはシエルの瞳の契約の印に接吻した。



セックス依存症は僕のほうかもしれない。そんな事をシエルはベッドに
裸で横たわったまま考えた。
「またリチャード様の事を考えているのですか?」
当たらずともはずれとも言えない事を聞かれて、シエルはドキッとした。
「リチャード様はパブロフの犬なのです。私が炎の中から助け出した夜に
餌を与えてしまったので、恋してしまわれたのです。しかし、リチャード様が
最も欲するのは私ではなくチョコレートです。チョコレートを与えてくれる人なら
誰でも良いんです。あの時、坊ちゃんをすぐに追いかけなかったのは、
リチャード様に明日、ガートランドに帰るよう説得していたからです。」
セバスチャンはシエルの髪を優しく撫でた。そして、
「私は坊ちゃん以外の人間には興味がありません。この数日間、
嫉妬に狂う坊ちゃんの目はとても素敵でした。」
「わざとか。」
シエルはセバスチャンがやきもちを焼かせて楽しんでいた事を知って
呆れて怒ってしまった。
「怒った顔も素敵ですよ。坊ちゃん。」
セバスチャンがシエルに口づけした。セバスチャンの瞳が笑っている。
すべては意地悪な悪魔の悪戯だったのだ。
セバスチャンの指がシエルの身体を弄る。唇が舌がシエルを快楽へと誘う。
セバスチャンがシエルを満たしていく。
悪魔との夜は長い。シエルは再び幾度となく絶頂を迎えた。

                           (完)


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